とらひこ先生

5 山の村


ほんの少しだけ山に新しく畑を拓いたことがあります。
石を転がす時も土を集めるときも地球の重力が随分助けてくれます。
思ったより楽に小さなイモ畑が出来ました。
山の村へはせまく曲がりくねった道をいきます。
畑や田は地形にそって狭く、段々と重なっています。
山で暮らすひとは少なくなり、なかにはみんなで
山をおりた村もあるそうです。
いつの時代にも不便は耐えられないことです。

どの山の村もほんの50年前の写真を見ますと
家もたくさんで畑や田は見事なまでにはなざかりです。
もっと昔、そしてもっと昔々、山は便利な場所ではなかったかなあ・・
500年、1000年、2000年、3000年、5000年と時を遡り、
とらひこ先生みたいに時間にこころをシンクロさせて想ってみますと、
人が山にすむ必然が思えてきます。
草や木にとって山は不便なところでなく平地以上に心地よい場所です。
土地の傾きは お日様の恵みを平等にし、根には酸素がいきわたり
雨がふれば上から山の滋養が流れてきます。日照りがながく続く干ばつ
の時も山の高さと朝晩の霧がそれを和らげてくれます。
昔の人々がものを作るときこんな真理を見逃すはずがありません。


トカリ郷の記述は1000年程前の資料にあって、いまはそれが
何処に当たるかよく解らないそうです。自分が生まれた場所から
そう遠くないところの事のため興味がわき想像しています。
目線を少し上にすると見えない村が見えそうです。



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