とらひこ先生


      21 案山子

〜だいぶん前に見た夢〜

山の田の真ん中に色浅黒く眼光鋭い男がいて
1人でキャッチボールをしていた。
白いボールを力一杯投げては、
実った稲の間を音も立てず疾風のように走り、
投げたボールを追い越し、自分で受けた。
その動作を静かに何度も繰り返していた。


あまりにも寂しい案山子だったのだろうか・・・




トップへ