犬も歩けば            

  

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広島の2人


随分昔のこと 石鎚山で偶然一緒になった広島から来た初老の行者さん

高校の時の春休み 何を思ったか石鎚山へ登った。
汽車とバスを乗り継ぎ登山口まで そこからテクテク
の山行で
6合目か7合目かの神社の敷地にあった登山宿に着いたのは夕方近かった気がする。
2人に会ったのは宿だったろうかそれとも最初の登山口だったか思い出せないが
あくる朝 氷とつららの垂れた鎖場を一緒に登ったことを鮮明に覚えている。
小柄なひとは話すたびにニコニコと笑顔がこぼれ 背の高いひとはひかえめでおとなしいひとだった。
ちょうどその日がこの人たちの山開きの日で毎年欠かさず登っていると言っていた。
30年ほど昔 たった半日 時を一緒にしただけなのに 
なぜだか涙がでるほどなつかしい

日雀
むかしむかし釈善聖(シャクゼンヒジリ)と言う人がいたそうです。
8世紀頃の人と伝えられていますが 謎に満ちた人です。
吉野川最上流の山深い土佐の山里にどこからかやって来て住まいをし 寺をたて 
数年を置いて川を遡るように上流に移り住み 
最後は石鎚の山に入り仙人になったとも 石鎚の開祖であるとも言われている人です。
1300年程の時を経た今でも 大川村 本川村には「シャク善」「作善」百善」「シャクゼンヒシリ」
と地名としてちゃんと残っているとききます。またお寺の跡も現存するそうです。
 




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