13 下駄のおんちゃんの船
アホタレ!風呂でも多少の波はあるゾ! 漁師がこれくらいの波に怖じてどうすりゃあ! 下駄でもひくっりかえって浮いてるワイ! と言うのが口癖で 青いペンキで塗った古い木造船で沖へでていた。 |
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無人島長平はオレのじいさんでジョン万は親戚じゃあ! なんぞと見え透いたホラ話の数々を大まじめにするので 千、三つのオヤジとも呼ばれていたが 年かさの漁師たちからは あいつは小学校に上がる年からコゾウで船に乗っている 根っからの漁師じゃ! と一目置かれていた。 |
そんなある日の朝早く 息子が青い船を家のある浜辺の沖へ乗り回し ブン回しの全速で砂浜めがけて突っ込んだ。 そしてポリタン一杯の灯油を船にぶっかけ 火を付けた。 |
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