犬も歩けば            



10 やきっちゃん
                やきっちゃんは沖で船を止めてよく昼寝をしていた
                    ヘミングウェイの「老人」みたいに「ライオン」の夢をみていたのかな・・・


おいらも
よく凪いだ日に沖へ出て 
そこらあたりに錨をブン投げて 
ウトウトしてみよう
「ライオン」の夢をみられるかもしれない




サヨウナラ、やきっちゃん。

禿げあがった額に 黒い太い眉。
笑うと消えそうな細い目。
いつも微笑みをたたえた口元。

こよなく酒を愛し、人を愛し、
友を大切にしたやきっちゃん。

2001年9月24日15時15分。
寝息の聞こえそうな、
死に顔を残して逝ってしもうた。
あいさつもせず、とても急いで、
そして静かに、逝ってしもうた。

サヨウナラ、やきっちゃん。


『むらかみの義っちゃん』より

ご寄稿いただいた大先輩『むらかみの義っちゃん』にこころより感謝いたします。



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